生活機能向上連携加算Ⅱは、算定を開始した時点がゴールではありません。3ヶ月ごとの評価・計画見直しのサイクルを止めずに回し続けて、はじめて算定が継続します。実際には、算定を開始したものの、2回目以降の評価が滞ってしまう事業所も見られます。
この記事では、評価サイクルが止まりやすい構造と、止めないための運用の工夫を、厚生労働省の留意事項通知をもとに整理します。
なお、ここでいう「評価」とは、外部リハビリ専門職が機能訓練指導員等と共同で、生活機能チェックシート等を使って行う、利用者の生活機能(ADL・IADL等の日常生活動作の状況)に関する評価を指します。体力測定や身体機能そのものの検査ではなく、日常生活動作がどの程度自立して行えるかを見るものです。この評価結果が、個別機能訓練計画書等の見直しに反映されます。
なぜ「算定して終わり」になりやすいか
生活機能向上連携加算Ⅱは、外部リハビリ専門職の訪問による評価と、機能訓練指導員等との共同での計画作成・見直しが要件になっています。初回の訪問評価・計画書作成は、契約や導入準備のタイミングと重なるため比較的進みやすい一方で、その後の評価が単発の出来事として止まってしまうケースが見られます。
背景にあるのは、評価という業務が特定の担当者の記憶やスケジュール感覚に依存しがちな点です。次回評価の予定が業務カレンダーに組み込まれていないと、日々の現場業務に押し流されて、気づけば3ヶ月を超えてしまう、という構造が起きやすくなります。
3ヶ月ごとの評価を「予定」に組み込む
次回評価日は、次回の外部リハビリ専門職の訪問前に入力しておきましょう。前回評価から3ヶ月以内という要件を、口頭の申し送りではなく記録に残しておくことで、担当者の記憶に依存しない運用になります。
予定化のポイント
- 前回評価のタイミングで、次回評価日を入力しておく
- 評価直前ではなく、1ヶ月前を目安に日程調整の連絡を行う
この「その場で入力しておく」一手間があるかどうかで、サイクルが自然に回り続けるかどうかが変わります。
訪問のない月の空白をどう埋めるか
3ヶ月ごとの訪問評価の間、日常のケアは現場だけで進みます。この期間に判断に迷う場面が発生しても、次の訪問まで相談できないままになると、評価と評価の間で現場の実践がぶれてしまうことがあります。
個別機能訓練加算を併算定している場合、この点についてはより明確な運用ルールがあります。機能訓練指導員等は、各月における評価内容や目標の達成度合いについて、利用者又はその家族及び理学療法士等に報告・相談し、理学療法士等から必要な助言を得た上で、必要に応じて目標の見直しや訓練内容の変更など適切な対応を行うこととされています。つまり、訪問がない月であっても、毎月の評価内容と目標の達成度合いを外部リハビリ専門職と共有し、助言を得ることが求められています。
FLOW
評価と評価の間の運用サイクル
eveRecareでは、訪問がない月も毎月オンラインで評価内容や目標の達成度合いを共有できる体制を整えています。動画共有やケース相談を通じて、外部リハビリ専門職からの助言を、訪問と訪問の間も継続的に得られる仕組みです。この伴走支援は、プラン内に含まれる形で提供されます。
担当者が替わっても回る記録・引き継ぎの整え方
介護現場では人事異動や退職により、担当者が入れ替わることが珍しくありません。評価・計画・実施記録が特定の担当者の頭の中にしかない状態だと、担当が替わった瞬間にサイクルが止まってしまいます。
引き継ぎで押さえておきたい記録
- 直近の評価結果と、それに基づく目標・計画の内容
- 次回評価の予定日と、調整の進捗
- 訪問がない期間に現場で気づいた点・迷った点のメモ
これらが書類として残っていれば、担当者が替わっても外部リハビリ専門職との連携を止めずに引き継げます。
この記事のポイント
- 生活機能向上連携加算Ⅱは、3ヶ月に1回の評価・計画見直しを継続することが算定要件
- 評価が単発で止まりやすいのは、次回日程が担当者個人の記憶や口頭の申し送りに依存しやすいため
- 次回評価日は、次回の外部リハビリ専門職の訪問前に入力しておくと止まりにくい
- 個別機能訓練加算を併算定している場合、訪問がない月も毎月の評価内容・目標の達成度合いを外部リハビリ専門職と共有することが求められている
- 評価・計画・実施記録を書類として残しておけば、担当者が替わってもサイクルを引き継げる
